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あなたがどこから来て 真実がどのようなものであろうとも、 そんなものはあなたの輪郭をはっきりさせるほどの情報でしかなく、 きっとこの想いをとめる理由にはならない。 11.真実の重み 「あ、ナルトくーん!!」 は、公園につくやいなや見つけた金髪の男の子に向かって手をふる。 「ねーちゃん!」 名を呼ばれたナルトは満面の笑みを浮かべ、に駆け寄る。 「久しぶりv」 「うん、久しぶりだってばよ!ムサシも。」 に挨拶をしたあと足元にいるムサシに目線をあわせるようにしゃがみこんだ。 「あぁ、花見以来だな。」 「へへへ、俺ってば忙しいからな。」 「ヘマばっかしてるらしいな。」 「なっ?!べ、別にそんな事ないもんねーだ。」 カカシに聞いたぞ?、と言うムサシくんにナルトくんは少し悔しそうだけど嬉しそうで。 でも相変わらず元気そうv 本来ならば、カカシさんがいない時はナルトくんもいないことになるのだが 今日はカカシさんは先生以外の任務があるみたいで(この前のアタシに襲いかかってきた男に関する事みたい) ムサシくんを置いて朝から外出中だ。 だから自動的にナルトくんたち第七班は今日はお休みというわけで。 ムサシくんと公園に出かけて見ると、やっぱりナルトくんがいた。 久しぶりに会ったからすっごく嬉しい。 「元気だった?」 落ち着いて話をするために2人はベンチに座った。 ムサシはの足元に伏せている。 「もっちろん!」 ししし、と笑って今までの任務の話をしてくれた。 同じ時を過ごしているのに、カカシさんから聞くのとはまた違った話が聞けるのがすごく嬉しかった。 身ぶり手振り、時には勢いがついてベンチから立ち上がりながら。 それにあわせて私も笑ったり一緒に悲しくなったり。 楽しかった話、嬉しかった話、・・・悲しかった話、色んな話をしたら時間が過ぎるのがあっという間に感じる。 「そっか〜大変そうだけど・・・でも充実してるのね。」 「うん!俺ってば忍者になりたかったから、大変なのも平気なんだ。でも・・・あんまり悲しい事はやだってばよ。」 「そうだね、私もやだな。でもね、ツラい事とか悲しい事があるからその分幸せだなって感じたり嬉しかったりするんじゃないかな?」 「それはなんとなくわかるけど・・・でもさ、俺が火影になったらそーいうのもぜってぇなくしてやるってばよ!」 力強く答えるナルトくんがとてもまぶしい。 いいな。 すっごくキラキラしてる。 「うん、頑張ってね!」 成長していくナルトくんをいつまでも見ていたいと思う反面、 自分はいつか帰らなければならない日がくるかもしれない、でも帰れないかもしれない。 先が見えない状態にいつの間にか不安で頭がいっぱいになっていた。 「あ、・・・ねぇ。ナルトくん?」 そんなの様子に気づいたのはきっとムサシだけで。 でも、だったらうじうじ悩んでないで今のうちにたくさん思い出作らなきゃ! 「ん?なーに、ねーちゃん。」 「ご飯はちゃんと食べてる?」 「食ってるよー。昨日は家でラーメンつくってぇ、その前は一楽に食いに行った。」 ほ、・・・・本当にラーメンばっか食べてるのね(汗 育ち盛りなのにこれはダメでしょう。 うん、絶対よくない! の持ち前の世話好き心がむくむくと現れたようである。 「ねぇ、ナルトくん。今度ご飯作ってあげるから食べにおいで?」 「え?あれ、ホントにいいの?!」 とたんにナルトの目が輝いた。 「もっちろん!カカシさんからも是非って言われてるしね〜。」 「俺ってば、ねーちゃんのご飯おいしーからスゲー好き!」 「ありがとうv」 「あ、でも・・・。」 ナルトは言いにくそうに頬をぽりぽりとかく。 「ん?」 「その〜〜。」 「ナルトが野菜はあまり入れてくれるな、だとよ。」 「??!!!」 ムサシくんがナルトくんの言いたい事をズバリと言い当てたもんだから、ナルトくんはびっくりして私の足元にいるムサシくんを見た。 「なんでもなにも、顔に書いてあったぞ。」 「えー!?」 「あはは、わかったよ。あんまり入れないようにするから安心しておいで?」 ね?と念押しすると、ナルトくんは嬉しそうに「うん!」とうなずいた。 「そうだな〜。明日とかはどう?」 「大丈夫だってばよ。明日も休みだし。あ!でもカカシ先生いないのに俺行ってもいいの?」 「カカシさん、明日の晩ごはんには帰ってくるって。」 「ふーん。」 「な、なーに?」 ナルトくんは腕を頭に組みながら、子ども特有のいたずらっぽい表情を浮かべた。 「なんかねーちゃんとカカシ先生って夫婦みたいだってばよ。」 「なっ///!!!」 恋人通りこして夫婦ですか?!!(汗 っていうか、恋人ですらないのに〜〜。 「ししし、ねーちゃん慌てすぎ〜〜。」 「お、大人をからかうんじゃありません!!」 もう!カカシさんだけじゃなくてナルトくんまで私をからかうなんて。 「明日サクラちゃんとサスケと修行するようにってカカシ先生に言われてるからそろそろ帰るってばよ。 じゃあ、明日の夕方ね!俺スゲー楽しみにしてるから♪♪」 「うん、私も!気をつけてね。」 「はーい。ムサシもじゃあな!」 ナルトくんと公園で別れ、ムサシくんと2人家路についた。 「ナルトはしゃいでたな。」 「ね〜私も楽しかったからよかった。」 「またお前、張り切って料理するんだろ?」 ムサシの頭には以前の花見の際に、が大量に次々と料理をつくっていく姿が浮かんだ。 「当たり前だよー。ナルトくんにはバレないようにたーっぷり野菜いれないとねv でもカカシさんに相談なしで決めちゃってよかったかなぁ〜。一応了承は得てるけど。」 ・・・コイツ、絶対さっきナルトにからかわれたの根に持ってるな。 「ま、が楽しければいいんじゃないか。それにナルトがラーメン以外の物を食べるのはカカシも賛成だと思うぞ。」 「ホンットあの子ラーメン好きなんだね。」 「あぁ。カカシが困ってた。」 クスクスと2人で笑って、帰った。 「よォ!ナルトー任務帰りか?」 「んーん、今日はカカシ先生が任務でいないからサクラちゃんとサスケと修行してたんだってばよ!」 ナルトが修行をした演習場から一度家に帰りのもとへ向かう途中、仕事終わりのイルカに会った。 「お、偉いじゃないかー。あの2人も元気か?」 「うん、サスケは相変わらずムカつくけどねー。」 「コラ、ちゃんと仲よくしろよ〜〜。じゃないと忍者の命ともいえるチームワークがだな、」 イルカの長いお説教が始まりそうだったので、ナルトは慌てて止めた。 俺ってば、一回家帰ったからねーちゃん待たしてるのに! 「イ、イルカ先生!!その話ならまた今度聞くからさ。ね、ね?今日は勘弁して〜〜。」 「ん?なんだ、お前これからどっか行くのか?」 いつもならここで一楽に連れていけとうるさいナルトが、今日はどこか急いでる風なのがイルカは気になった。 「うん、今日はねーちゃんに晩メシ食わしてもらうんだ〜〜♪」 「なっ!お前、さんってあのさんの手料理今から食いに行くのか?!」 「あれ、イルカ先生ってばねーちゃんの事知ってんの?」 「あぁ、前にちょっとな。とにかく!お前だけで行って失礼があったら困るからな。俺も行く。」 「えぇえ?!イルカ先生ってばついてくんの?」 「突然だからな、お前の事たくして渡すもん渡したら帰るさ。」 本当はめちゃくちゃさんの手料理が食いたいけど(涙 いきなり行っても迷惑だろうし・・・くそ、ナルトのやつ羨ましすぎるだろ〜〜。 「ふーん。なら俺待たしてるから急がないと!ってイルカ先生?」 「・・・あぁ、いいぞ。」 そうして2人はのもとへ向かった。 ピンポーン ガチャ 「さん、お久しぶ、り・・・」 「あれ、イルカ先生?どうしたんですか〜。」 ナルトにさんの家だと連れてこられた玄関から出てきたのは、かわいらしい心踊る顔 じゃなくてなぜか里の誰もが知っているコピー忍者。 のカカシさん。 「あ、あれ・・・?ナルト、お前カカシさん家に来てどうするんだよ。あははは。」 「ん?あぁ、そっか。イルカ先生ってば知らねーんだ。」 「は?」 「ねーちゃんはカカシ先生と一緒に住んでるんだってばよ。」 「えぇええぇえー!!!!!」 わっ!っと耳を塞ぐナルト。 迷惑そうな表情を浮かべるカカシさん。 だって・・・だって、それってそういうことでそんなのあまりにも酷すぎるだろー(涙)!!! イルカの叫び声が奥まで届いたのか、何事かと怪しむような顔つきでカカシの後ろからが顔を覗かせた。 「今のなんです・・・?あ、ナルトくん!イルカさんまでどうしたんですか〜?」 「・・どうも。」 「???」 すっかり沈んでしまっているイルカに訳がわからない、とでも言いたげにはカカシとナルトを見やる。 イルカ先生の気持ちも分からんでもないけど・・・。 「ま、玄関先もなんですからとりあえず入ったらどうです?イルカ先生。ナルトはの手伝いな。」 「お邪魔しまーす。」 ナルトはうきうきと中に入っていく。 「とりあえずナルトの相手しながら夕食の準備でもしてて。」とカカシさんはこっそり私に耳打ちをした。 「後で教えて下さいね?」 「ん。」とカカシさんが短く返事をしたので、私は先に待つナルトくんのもとへ向かった。 来てすぐは取り乱していたイルカだったが、さすがに少し恥ずかしいと思ったのか 今は沈む心をなんとか隠しソファーにカカシと向かい合って座っている。 「あのー・・・。」 「なんです、イルカ先生?」 「すみません、突然お邪魔しちゃって。本当はナルトがさんにお世話になるって聞いたものですから、挨拶だけして帰るつもりだったんですが・・・。」 「いえ、まぁーいいんですよ。」 誰から見てもイルカはすまなさそうにしているが、カカシとしては少し面白くなかった。 オレがいるからいーけど、イルカせんせーナルトにかこつけてちゃっかりん家に上がり込む気だったでしょ。 という風にまたしても嫉妬心丸出しな考えが心の中で渦をまいていたが、そんな気持ちは抑えて着々と食事の準備をするたちを見た。 「にしたら1人分増えようが、変わんないでしょうしね。むしろちょうどいいくらいですよ。」 「え?あ、あぁ。そう言って頂けるとありがたいのですが・・・。あの、さんはどうして、」 「カカシさーん、イルカさーんご飯の準備出来ましたよー!」 イルカの言葉を遮って、の2人を呼ぶ声がリビングに響いた。 「行きましょ、イルカ先生。」 「あ、はい。」 机に向かうと、それはたくさんの色とりどりな食事が並んでいた。 「すごい、これ全部さんが作ったんですか?」 「イルカせんせー!俺も手伝ったってばよ。」 「おぉ、がんばったな。・・・にしても、豪華ですねー。」 「いえ、ナルトくんが来るっていうのでついはりきっちゃって///」 カカシさんが俺が増えてちょうどいいって言う意味はこれか・・・。 イルカが来た時点であらかた作り終えていたであろう食事は、それはたくさんでこれを3人で食べる予定だったのかと思うとちょっと驚きだ。 「食事の前に、・・・さん。」 「はい?」 「あの、これつまらないものなんですけど・・・こないだ渡せなかったので。誕生日プレゼントです。」 そう言ってイルカは来る時に買った、一輪の花をに手渡した。 「そんな、わざわざありがとうございます!」 「いえ、成り行きとはいえ俺までご馳走になることになってしまいましたから。」 「そんな、気にしないでください。私なんかの作ったものでよければいつでも食べに来てくれて構わないんですよ? あ、今度はサクラちゃんとサスケくんも誘いましょう!」 の優しい笑顔にイルカはすっかり見いっている。 あれ、でもカカシさんがいるのにいいのかな? 2人はそういう仲なんじゃ・・・? 「ねーちゃん!俺からも、・・・はい!誕生日プレゼント♪」 「え?!ナルトくんまで!ありがとう〜〜vv」 渡された紙袋の中身はもちろんラーメンだった。 「オマエどんだけラーメンスキなのよ(汗」 改めての誕生日も祝ったところで、ようやくいただきますをして4人食卓を囲んだ。 「わ〜すっごく美味しいです!さん。」 「ありがとうございます、イルカさん♪」 「んめ〜〜!!!やっぱねーちゃんの料理はサイコーだってばよ♪♪」 「ありがとう、ナルトくんv」 「オマエねぇーそんなに焦って食ったら喉つまるよー。」 誰もとらないから、と言ってカカシさんはのんびりとナルトくんの世話を焼きながら食事をし、 イルカさんはひとつひとつに美味しいと反応してくれて。 こんなに賑やかで楽しい食事は久しぶりだった。 「ところで、あの。」 「はい。」 「カカシさんとさんはお付き合いしてるか何かですか?」 ブフッ!! イルカのその発言には味噌汁をふいた。 「うわっ!?ねーちゃんきったねー(汗)」 「さん?!大丈夫ですか?」 「あらま、ふいちゃうことないのにwダイジョーブ、?」 「ご、ごめんなさい。」 あわあわとするに3人が3人とも机を拭いたり、タオルをに渡したり等かいがいしく世話をしていた。 「失礼しました(汗)あの・・・別にカカシさんとはお付き合いしてるとかそういう訳ではないんですよ。」 「でも一緒に住んでるんですよね?さんが遠くから引っ越してきたって言ってたのもカカシさんと住むためだったんですか?」 追及するイルカにカカシがわって入る。 「イルカせんせー。それには色々訳がありまして。」 「俺も!その訳ってやつ、スッゲェ気になるってばよ。」 「あーあのね、ナルト。」 「そ、それは!」 「・・・?」 「私、あの・・・」 私、また隠すの? これからどれだけ真実に嘘を重ねていくんだろう。 信じて欲しいって、自分は怪しくないって言っておいて。 自分の本当の事も明かせないのに?これじゃ、里の人たちと仲良くなんてなれっこない。 私は決めたんだ。 なんでここに来たのかが分からないなら、せめて来てよかったって思って帰ろうって。 「カカシさん。」 はっきりとした眼差しで、はカカシを見た。 その瞳は決意を表していたから。 の言いたい事なんてすーぐわかっちゃうんだから。 「のスキにしたらいいと思うよ。」 カカシさんのその言葉で私は2人に本当の事を打ち明ける決意をした。 カカシの口寄せがきっかけで違う世界から来たこと、 火影はそれを承知でこの里においてくれていること、 カカシさんは監視もかねて家においてくれていること、全てを話した。 「・・・というわけなんです。」 2人はにわかに信じがたいらしく、呆然としている。 「すみません、こんなこと急に言われてもびっくりするだけですよね。私、後片付けしてきます。」 はいたたまれなくなり、食器を持って片付けを理由に席をたった。 「あ、・・・まー嘘みたいな話ですけどね。全部ホントですよ。」 「俺、ねーちゃんの手伝いしてくるってばよ。」 ナルトは残りの食器を持ってすでにがいるキッチンの方へと向かった。 「ねーちゃん、これ。」 「あ、ありがとう。」 はナルトから食器を受け取り黙々と洗い出した。 「あのさ、・・・ねーちゃん?」 話しかけられたはビクッ、と肩を揺らした。 その様子は驚くというよりは怯えているようにナルトには見えた。 「あ・・・さっきの話?ごめんね、突然びっくりしたよね。 本当なら黙ってなくちゃいけないんだろうけど2人なら受け入れてくれるかなーなんて勝手に決めつけちゃって、気味悪いよね。・・・どこの誰だかわかんないようなやつ。」 「ねーちゃん!俺、別に気にしてないってばよ。」 「え・・・?」 「前にさー言ってくれたじゃん、本当の俺がなんだって俺は俺だって。あれ、スゲー嬉しかった。」 「ナルトくん。」 「だから、俺もそう思うよ。ねーちゃんがどこの世界の人間でもねーちゃんにかわりはねーってばよ。だからさー俺たちこれからも友達!!な?」 言葉にならなかった。 受け入れて貰えなかったら? 今まで通り接して貰えなかったら? 話すと決めた後も、事実が口からでる度には2人の反応が怖くてしょうがなかった。 「もう、ナルトくん大好き〜〜〜。」 「わわっ///」 は嬉しさのあまり手にスポンジを持ったままナルトに抱きついた。 「ちょ、ねーちゃん///!!泡!泡つくから離せってばよ〜〜。」 一方で、イルカとカカシは・・・・。 「急なことで驚きました。まさかさんが違う世界から来た人だったなんて。」 「ま、それが当然の反応でしょう。オレも初めはなにがなんだかって感じでしたから。」 「でも本当なんですよね?」 「こんな嘘、言ってなんになるんです?」 「そうですよね。」 ふぅ、とイルカは一息ついた。 「でも、だからってさんがさんであることにかわりはありません。」 「・・・まーね。」 「火影様が了承していることでしたら俺がとやかく言う事でもないでしょうし。」 「・・・・・。」 「さんとは別に今まで通り接すればいいんですよね?」 「・・・えぇ、まあ。」 「あれ、まさかカカシさんは疑ってたんですか?さんの事。」 う、別にそーいうわけじゃ・・・・。 「そんな訳ないですよね。彼女見てたらそんな風には見えないし。一緒に暮らしてるくらいですもんね。」 イルカ先生ってヤーなとこついてくるなァ。 実は腹黒い・・・とか。 「カカシさん?」 「あ、はい。」 にこにこと爽やかな笑みを浮かべるこの男が、違う意味で急に恐ろしくなったカカシであった。 「それにしても一緒に住んでるのは反対です、俺。」 「え?まーでも三代目も言ってる事だし。」 「火影様も火影様ですよ!カカシさんみたいな人が同じ屋根の下にいるんじゃ、安全なのか安全じゃないのかわかりゃしない。 あなた里でなんて言われてるか知ってるんですか?」 「あの、イルカせんせ?」 なんかキャラ変わった(汗)? 「カカシさんの女癖の悪さは有名ですからね。」 「はぁ、あのでもにはまだ・・・。」 「まだ?!ってことはこれから出すつもりではいるって事ですか?」 「いや〜あの、イルカせんせ?ちょっと一回落ち着きましょ。本人に聞こえたらマズイし、今日はナルトも、」 「カカシさんはどう思ってるんです?さんのこと。」 真っ直ぐなイルカの瞳は反らすのを許さない。 なーんでこんなことになっちゃったかね。 イルカ先生が熱いのは結構だけどオレを巻き込まないでちょーだいよ。 どう答えようか迷っているカカシに焦れたのか、イルカは 「いいです、カカシさんがどう思ってようと関係ない。」 「は?」 「今日、やっと気づきました。俺はさんが好きだ。たとえ彼女が別の世界から来ていつ戻るかわからなくても。 そんなの今度は俺がさんの世界に行けばいいだけの話です。俺は彼女の、・・・・さんの支えになりたい。」 今日震えながら事実を話す彼女を見て思った。 その肩を彼女自身を抱きしめてあげられたらどんなにいいだろう、と。 今でこそ知り合いも増えたであろうが初めは知り合いも誰もいない、馴染みのある土地から離れて1人きっと心細い思いをしたに違いない。 里に慣れた今でも困る事はたくさんあるはずだ。 今までに壊れそうなさんを何度か見た事がある。 そんな時、いつもそんな彼女を心配に思う理由がやっとわかった。 「あなたがどう思っているかは知りませんが、遠慮はしませんので。これからはそのつもりでいてください。」 そう告げたイルカ先生は今までの爽やかで、生徒思いの熱い人ではなく、という1人の女性に想いを寄せるただの男だった。 その後イルカは宣戦布告をカカシに残し、ナルトはにこれまで以上の友情宣言をし2人帰っていった。 「カカシさん、コーヒー入りました。」 「ん、ありがとう。」 机に置かれたカップからは暖かな湯気がのぼっている。 「どうしたんですか?さっきからボーッとして。」 「え?そんなこともないよー。」 カカシはにこにことして見せたが、先ほどからイルカが言った言葉が頭から離れない。 『俺はさんが好きだ。たとえ彼女が別の世界から来ていつ戻るかわからなくても。 そんなの今度は俺がさんの世界に行けばいいだけの話です。俺は彼女の、・・・・さんの支えになりたい。』 の世界に行けばいい・・・・ねぇ。 イルカ先生が前からを気にかけてるのは知ってたけど事実を知ってさらに熱くなるとは。 オレものんびりはしてられないな。 「でもよかったです。」 「んー?あぁ、2人のこと?」 「はい!ナルトくんはかわらず友達だって、イルカさんも気にしてないってむしろ困った事があったらいつでも頼って欲しいって言ってくれましたv」 「そう、よかったね。」 といいつつもカカシの表情は固かった。 そんな様子にはわずかに勘違いをしたようだ。 「カカシさん、やっぱり2人に話したの怒ってます?」 「え?ちがーうよ。が話したいって思ったんならいいじゃない。別にあの2人なら知ったからってどうこうするわけでもないでしょーよ。」 「なら・・・あの、カカシさんあれからずっと眉間にシワ、よってます。」 「え、うそ・・・?」 「本当です。」 そう言ってツンツンとはカカシの眉間をつついた。 あらま、オレってばいつの間に。 「まーでもさ、何事もなくてよかったじゃない。」 「はいv」 「別にが落ち込んでオレが優しく慰めてあげてもよかったんだけどねー。」 「いりません。」 「そんな照れないでよv」 「照れてません、丁重にお断りしてるだけです。」 「くくくっ、相変わらずつれないな〜。」 「もう!いい加減私でからかうのはやめてください。」 「ヤーだねv」 「カカシさん!!」 「ねぇ。」 今までじゃれていたのに。 突然いつになく真面目な声で、カカシさんは突然私の腕を掴んだ。 「は、はい。どうしたんです?」 「はさ、イルカ先生が好きなの?」 ・・・・・はい? 「え?あの〜〜なんでそうなるんです?」 もちろん先ほどのイルカとカカシとの会話など知りもしないは、当然カカシの発言が突飛に思えてしかたないだろう。 「別に、気になっただけ。んで、はイルカ先生の事どう思ってんの?」 自分の気持ちも告げてない、 イルカ先生がに想いを伝えたワケでもないのにこんな事を聞くのは卑怯だと、冷静なもう1人の自分が心でわめく。 イルカ先生がへの気持ちをあんなにはっきりオレに言うから・・・。 正直焦っているのが自分でもわかった。 いっそイルカ先生がに想いを伝える前に、自分が先に言ってしまおうか。 カカシの心の葛藤などつゆ知らず、は先ほどの問いに答える。 「ど、どうって・・・別に仲良くしてくださるお友達だと思ってますけど・・・。」 ならそう答えるだろうと、聞かずともあらかた予想はしていたものの やはり直接本人の口から聞くまでは安心出来なかったカカシであった。 「ふーん。」 カカシさんは私の答えに満足したのか、ようやく掴んでいた手を離してくれた。 「あの、どうしてそんな事聞くんです?あ・・・まさか、」 ようやくもオレの気持ちに気づいてくれた? いくら天然でかーなり鈍いって言っても、ここまであからさまな態度とればさすがに分かるよねぇ? オレが、・・・・ 「もしかしてカカシさんって、イルカさんの事好きなんですか?」 「そうなのよ、オレ・・・って、」 はぁぁあああ?! 今この子なんて言った? どこをどう解釈したらそーなるのよ(汗 っていうか、今オレてっきりがオレの気持ちに気づいてくれたもんだと思って相槌うっちゃったんですケド??!! 「そうだったんですね!ちょっとびっくりですけど・・・。」 「ちょ、待って?!」 「大丈夫です!!私その手のことには理解ありますから〜。」 しっかりとは勘違いをしていた。 「だからちがうんだって(涙)!!」 いつもはの勘違いもそのままにしておくカカシだが、 その時ばかりはの誤解を解くのに物凄く必死になるカカシがいた。 オレはそっちの気は断じてないぞ!!! いい加減、カカシ先生告っちゃえよ。 すみません、全てワタクシのさじ加減でした。 シリアスかと思いきや、結局ギャグおちにw ついにカカシ先生告白か?と期待を抱いてしまった方、申し訳ありません。 まだまだ引っ張ります(汗 ワタクシバリバリの腐女子ですが、ここでのお話は断じてそのような展開にはなりませんので。 お嫌いな方はご安心ください。 カカシ先生が煮え切らない代わりといっちゃーなんですが、 イルカ先生がはっきりとさんへの想いを自覚しましたね。 そしてここのイルカ先生に腹黒疑惑(笑 爽やかスマイルも実は計算なのではないか、という見解がワタクシの中で浮上中です。 さぁ、そんなイルカ先生にカカシ先生はこれからどうやって対抗するのでしょうか。 次回お楽しみに〜♪♪ |